在宅でできる仕事を探していると、「美容ライター」という働き方を見かけることがあると思います。
美容の知識を活かせたり、家で作業が完結したりと、魅力的に感じられるポイントがいくつもありますよね。
一方で、
- 未経験からでも本当にできるのかな……
- 文章を書く仕事って難しそう
- そもそも何から始めれば良いんだろう
と不安を感じて、一歩踏み出せずにいる方も少なくありません。
そこでこの記事では、在宅で美容ライターとして働いてみたい方に向けて、仕事内容から始め方のステップまでをやさしく整理しました。
実際の現場で求められていることや、初心者がつまずきやすいポイントなども含め、無理なく進められる内容だけをまとめています。
1. 在宅でもできる美容ライターとは?
(1)どんな仕事をするのか
美容ライターは、化粧品・スキンケア・コスメに関する記事を書く仕事です。
一口に美容記事といっても、内容はとても幅広く、たとえば次のようなものがあります。
- 商品レビュー&紹介
- スキンケアや成分の解説
- 美容トレンドの紹介
- メルマガの作成
- 専門家へのインタビュー
- プレリリース記事の執筆
特にレビューや解説記事は需要が高く、個人でも書きやすいため、初心者が取り組みやすいジャンルです。
最近は、企業メディア・コスメブランドのオウンドメディア・女性向けメディアなど、オンラインで完結するライティング案件が増えています。
在宅でもやり取りがしやすく、チャットやメールのみで仕事が完結するケースも多いです。
(2)在宅ワークとして人気が高い理由
美容ライターが人気を集めている背景には、次のような理由があります。
- 家で完結
外出の必要がなく、家事や育児と調整しながら働ける。 - スキマ時間で作業しやすい
300〜500文字の下書きでも進められるため、小さな時間を積み重ねやすい。 - 専門的な資格が不要
有資格者でなくても参入でき、ユーザー目線での執筆を求められることも。 - 美容が好きな人が活かせる
コスメ好き・美容好きであること自体が強みになる。
文章はツール上でやり取りすることがほとんどなので、会社へ出社したりミーティングに参加したりする必要はあまりありません。
そのため、「働く場所に縛られたくない」「子育てと両立したい」という方とも相性の良い仕事です。
(3)未経験から始めている人が多い背景
美容ライターは専門家だけが書ける仕事ではありません。
実際、クラウドソーシングを見ても未経験歓迎の案件が多く、読み手に寄り添うやさしい文章が求められています。
「むずかしい知識を語れること」より、
「読者が知りたいことをていねいに伝えること」のほうが評価されやすいため、初心者の方が始めやすい傾向があります。
もちろん経験を積むほど書ける内容は広がりますが、最初の一歩としては、無理なくスタートできる職種といえます。
2. 在宅美容ライターの仕事内容と必要スキル
(1)記事の種類と作業フロー
美容ライターが実際に担当する記事は、次のようなものが中心です。
- 商品レビュー&紹介
実際に使ったアイテムの使用感や特徴をまとめて、商品を紹介する。 - スキンケアや成分の解説
美容に関する悩みに対して、原因や対策方法を解説する。 - 美容トレンド紹介/プレリリース記事の執筆
新商品の発表、話題の美容法などをまとめる。 - インタビュー(オンライン増加)
美容家・美容師・医師・ブランド担当者へ取材を行う。
作業フローは意外とシンプルで、
リサーチ → 構成 → 撮影取材 → 執筆→ 校正 → 納品
という流れが一般的です。
企業メディアの場合、編集さんが構成案を用意してくれるケースも多く、初心者でも取り組みやすい環境が整っています。また、AIを活用することで記事執筆や調査もしやすくなっています。
(2)最低限おさえておきたいスキル
美容ライターに必要なスキルは、専門的なものではありません。
次の3つができれば、十分スタートできます。
- 調べた情報を整理する力
インターネット検索でわかる内容を、読者向けにやさしくまとめられると安心です。 - 読みやすい文章を書く力
難しい表現より、「小学生でも読めるくらいのシンプルさ」が好まれます。 - 納期を守る習慣
文章力よりも、納期を守れる安心感が信頼につながります。
また、美容知識を深めたい場合は、
たとえば「日本化粧品検定(コスメコンシェルジュ)」のテキストを使って基礎を整理する人もいます。
資格が必須というわけではありませんが、理解が深まると執筆がスムーズになります。
(3)知っておくべき薬機法・景表法・医療法
美容ライティングでは、薬機法・景表法・医療法の3つの法律に注意して執筆する必要があります。
法律では、商品の良い部分だけを誇張したり、実物以上に効果があると謳ったり、過度な表現で読者に誤解を与えることなどが、禁止されています。
それぞれざっくり次のような特徴があります。
- 薬機法
主に、化粧品・医薬部外品・医薬品の“効果や効能の表現”を規制した法律 - 景表法
広告や宣伝の「誤解を招く表現」を防ぐための法律 - 医療法
美容医療やクリニックに関する広告規制・ルールを定めた法律
はじめはむずかしく感じるかもしれませんが、まずは強い言い切りを避け、読者に誤解を与えない慎重な表現を心がけることが大切です。
徐々に書籍や実践を通じて、法的な知識をカバーしていくとよいでしょう。
3. 未経験者が在宅で美容ライターを始めるステップ
(1)まずは小さな実績作りから
いきなり企業案件を取るのはハードルが高いので、
まずはブログやnoteで3〜5本の美容レビューを書いておくと実績になります。
たとえば、
- 使ってみてよかったスキンケア
- メイクアイテムの使用感
- 愛用品の紹介
など、手元にあるアイテムで十分です。
実績で見られているのは“文章力そのもの”より、丁寧に書こうとしている姿勢です。
短くても、誠実にまとめられていれば立派な実績になります。
在宅でライティングを学びたい方は、オンラインスクールを使う方法もあります。
WEBライティングの基礎から応用までを学べるので、知識をきちんと入れてから実践に臨みたい、という方は活用してみるのも◎。
(2)ポートフォリオを作る
美容ライターのポートフォリオは、難しく作る必要はありません。
未経験なら次の構成で十分です。
- 自己紹介
- 得意ジャンル(美容・スキンケアなど)
- サンプル記事
- 連絡先
noteリンクを貼るだけでも問題ありません。「この人の文章は丁寧だな」と伝わればOKです。
ポートフォリオのくわしい作り方はこちらで解説。
「美容ライターのポートフォリオの作り方」
(3)初心者向けの案件を探す
案件を探すときは、クラウドワークスかランサーズなどの「初心者歓迎の美容記事案件」が多くある、クラウドソーシングサイトを活用するのがベターです。
両サイトともに、最初の案件探しとして利用されることが多いサイトです。
- 美容ジャンルの募集が豊富
- 在宅ワーク初心者でも始めやすい
- 企業メディアの募集が見つかりやすい
単価だけで判断せず、丁寧に対応してくれるクライアントを選ぶことが、長く続けるコツです。
案件探しのコツはこちら
「美容ライターの案件の取り方|初心者でも成約しやすい提案文テンプレ」
4. 在宅×育児を両立して働くコツ
(1)時間管理の工夫
育児中の在宅ワークは、まとまった時間が取りにくいのが悩みですよね。
そんなときは、作業を細かく分けて進めるのが効果的です。
- お昼寝中に「構成だけ進める」
- 夜の30分で「冒頭だけ書く」
- 翌朝に「仕上げをする」
このように、少しずつ積み重ねていけば、1本の記事は着実に仕上がっていきます。
(2)案件の選び方と“無理のない働き方”
最初のうちは、「週1本・1500〜2000字程度」の軽めの案件から始めると、自分のペースをつかみやすいです。またどんな記事執筆が自分には合っているのか(速く書けるのか)を、判断しやくなります。
納期に余裕がある案件のほうが安心して取り組めますし、生活リズムを大きく崩すことなく続けられます。
(3)最初から完璧を求めすぎない
育児があると、作業が中断されてうまく進められないことが多いです。大前提として、メンタル的にも作業的にも最初から高い目標や完璧を目指して進まないことが肝心。
- 低単価の案件から挑戦してみる
- 作業は小さく区切りなら書く
- 最初は稼げなくてもコツコツ継続する
小さな作業・工夫を積み重ねていけば、徐々にライティングの要領をつかめてきますよ。
5. 在宅美容ライターの収入の目安と続けるためのポイント
(1)初心者の収入の目安
未経験で始めた場合、最初の1〜2ヶ月は月3,000〜1万円ほどになることが多いです。
継続案件が増えてくると、月3〜5万円に届きやすくなります。
もっと詳しい収入はこちら
「美容ライターはどれくらい稼げる? 月3万円から始める収入アップの道筋」
(2)継続依頼を受けるために大切なこと
在宅美容ライターが安定して働くために、次の3つが重要になります。
- 納期を守る
- 連絡を丁寧に返す
- 修正依頼に誠実に向き合う
文章そのものより、こうしたやり取りの丁寧さが信頼につながり、継続依頼が増えやすくなります。
(3)在宅で続けやすくなる工夫
- 自分に合った量だけ受ける
- 完璧を求めすぎない
- ペースを一定に保つ
コツコツ続けていくことで、案件数や収入が少しずつ安定していきます。
6. まとめ
在宅で美容ライターとして働くことは、未経験でも十分に目指せる道です。
まずは小さな実績からスタートし、ポートフォリオを整え、少しずつ案件に応募していけば、働き方の選択肢は広がっていきます。
育児や家事、仕事と両立しながらでも始められる働き方なので、ぜひご自身のペースで無理なく挑戦してみてくださいね。
参考文献
- 厚生労働省「働き方改革関連情報」
https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/ - 厚生労働省「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」
https://shigoto.mhlw.go.jp/ - 総務省統計局「国民生活時間調査」
https://www.stat.go.jp/data/shakai/ - 総務省統計局「労働力調査」
https://www.stat.go.jp/data/roudou/ - 内閣府「男女共同参画白書」
https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/ - 中小企業庁「フリーランス関連支援情報」
https://www.chusho.meti.go.jp/ - 独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)
https://www.jil.go.jp/ - 日本クラウドソーシング協会「実態調査レポート」
https://crowdsourcing.jp/ - 内閣官房「働き方改革一括法について」
https://www.kantei.go.jp/ - 厚生労働省「在宅就業者総合支援事業」
https://www.mhlw.go.jp/ - 総務省「テレワーク推進関連情報」
https://www.soumu.go.jp/ - 経済産業省「未来の教室/働き方・学び方の変化」
https://www.meti.go.jp/ - OECD「Employment Outlook」
https://www.oecd.org/ - 『フリーランス&副業で働く!文章で稼ぐ教科書』
NDL書誌:https://ndlsearch.ndl.go.jp/ - 『新版 働き方の教科書』
NDL書誌:https://ndlsearch.ndl.go.jp/ - 『LIFE SHIFT――100年時代の人生戦略』
NDL書誌:https://ndlsearch.ndl.go.jp/ - Google 検索セントラル「検索品質評価ガイドライン」
https://developers.google.com/search?hl=ja - 総務省「ICTによる働き方の変革」
https://www.soumu.go.jp/ - 厚生労働省「キャリア形成支援」
https://www.mhlw.go.jp/ - 経済産業省「副業・兼業に関するガイドライン」
https://www.meti.go.jp/
美容ライター&コンテンツディレクター。スキンケア・コスメ・美容医療のメディア運営や記事制作を中心に活動中。
日本化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)/化粧品成分検定1級(化粧品成分上級スペシャリスト)


