美容ライターの仕事は、在宅で取り組める自由度の高い働き方に見えるかもしれません。ただ実際には、工程が多く、締め切りが重なりやすい仕事でもあります。そのため、スケジュール管理は美容ライターとして働くうえで欠かせない要素だと感じています。
私自身、会社員として働きながらライティングを続けてきましたが、始めたばかりの頃は「今日は何を進めればいいのか分からない」と手が止まってしまう日が少なくありませんでした。目の前の締め切りに追われながら作業しているうちは、気持ちにも余裕がなく、書くこと自体が負担になっていたように思います。
工程を整理し、無理のないスケジュールを組むようになってから、少しずつ状況が変わりました。毎日完璧に進めるのではなく、「今日はここまでできれば十分」と区切りをつけられるようになったことで、安定して仕事に向き合えるようになったと感じています。
この記事では、美容ライターの仕事の流れを整理したうえで、1週間・1日のスケジュール例、そして無理なく続けるためのスケジュール管理の考え方について、実体験をもとにまとめました。美容ライターとして働き始めたばかりの方や、スケジュール管理に悩んでいる方の参考になればうれしいです。
1. 美容ライターの仕事は「スケジュール命」な理由
(1) タスクが細かく、工程が多いから
美容記事の制作は、企画、リサーチ、構成作成、撮影や検証、執筆、校正、入稿と、いくつもの工程に分かれています。一つひとつは小さな作業でも、全体で見ると想像以上に時間がかかります。
工程が細かい分、「今日はできそうなところから始めよう」という進め方では、どこかで無理が出やすくなります。スケジュールを意識せずに作業を続けていると、気づいたときには締め切り直前になってしまうことも少なくありません。
(2) 締め切りが複数同時に走りやすい
美容ライターは、複数の記事を並行して進めるケースが多い仕事です。Aの記事は構成段階、Bの記事は執筆中、Cの記事は校正待ちというように、常にいくつかの工程が同時進行します。
この状態でスケジュール管理ができていないと、「どれを優先すればいいのか分からない」という状況に陥りやすくなります。工程ごとに作業日を分けて考えることが、落ち着いて仕事を進めるためのポイントになります。
(3) 日常の延長で働けるぶん、境界線が曖昧になりやすい
自宅で作業できるのは、美容ライターの大きなメリットです。一方で、「いつでもできる」という意識が、「今日はやらなくてもいいか」という後回しにつながってしまうこともあります。
仕事と生活の境界線が曖昧になりやすいからこそ、意識的に作業時間を区切る工夫が必要だと感じています。
(4) 家事・育児・本業との両立が前提の人も多い
副業として美容ライターをしている方や、子育てと並行して働いている方も多く、限られた時間の中で仕事を進める必要があります。長時間作業を前提としたスケジュールでは、どうしても無理が出てしまいます。
自分の生活リズムを前提に、続けられる形でスケジュールを組むことが大切です。
2. 美容ライターの基本的な仕事の流れ(全体像)
ここでは、記事が完成するまでの基本的な流れを整理します。全体像が見えるようになると、スケジュールを組む際の迷いが減り、気持ちにも余裕が生まれます。
(1) 企画・リサーチ
テーマの方向性を決め、競合記事や一次情報を調べる工程です。この段階で情報を丁寧に集めておくと、構成や執筆がスムーズに進みます。逆に、ここを急いでしまうと、後から調べ直すことになり、結果的に時間がかかってしまいます。
(2) 取材・アンケート
専門家インタビューや読者アンケートなど、記事の信頼性を高めるための素材を集めます。美容記事では、こうした情報の厚みが、読み手の安心感につながると感じています。
(3) 構成作成
見出しや情報の流れを整理し、どこに何を書くかを明確にします。この工程を丁寧に行うことで、「何を書けばいいか分からない」という状態を防ぐことができます。
(4) 撮影・検証
商材の撮影や使用感の確認を行います。実際に試したからこそ書ける内容は、美容記事の説得力を大きく左右します。
(5) 執筆
構成に沿って文章を仕上げます。使用感については、「〜と感じました」「〜のように思いました」など、個人の感想として表現することを意識します。
(6) 校正・推敲
誤字脱字や情報の抜け漏れを確認し、文章の流れを整えます。執筆直後ではなく、少し時間を置いてから見直すと、気づきやすくなります。
(7) CMS入稿
ワードプレスなどのCMS(編集ソフト)では、見出しデザインの調整や装飾、画像サイズの確認なども含めて仕上げます。ここまでを一つの工程として考えておくと、スケジュールに余裕を持たせやすくなります。
(8) チェックバック対応
編集部からの修正依頼に対応します。あらかじめこの工程も想定しておくことで、スケジュールが大きく崩れにくくなります。
3. 美容ライターの1週間スケジュール例
以下はあくまで一例ですが、比較的無理なく進めやすいと感じている流れです。工程ごとに日を分けて考えることで、「今日はここまで進めればいい」と区切りがつき、精神的な負担も軽くなります。
1週間の進行イメージ
| 日にち | 主な作業 | 目安のゴール |
|---|---|---|
| 1日目 | 企画・リサーチ | 記事の方向性と参考情報がそろう |
| 2日目 | 取材・アンケート依頼、素材集め | 必要素材の不足が見える状態になる |
| 3日目 | 構成作成 | 見出しと書く順番が決まり、迷わず書ける |
| 4日目 | 撮影・検証 | 画像と使用感メモがそろう |
| 5日目 | 執筆(下書き) | ひとまず最後まで書き切る |
| 6日目 | 執筆(清書) | 表現を整え、読みやすくつなぐ |
| 7日目 | 校正・入稿・最終チェック | 公開できる状態に仕上げる |
スケジュールが組みやすくなる小さな考え方
・企画と構成を別日に分けると、情報を一度寝かせられる
・撮影や検証の日は、作業を詰め込みすぎない
・入稿日は調整作業が発生しやすい前提で、余裕を持たせる
4. 美容ライターのリアルな1日のスケジュール例
生活と仕事のバランスがイメージしやすいよう、私自身の働き方をベースに紹介します。毎日同じように進むわけではありませんが、「この型に寄せる」だけでも予定が立てやすくなりました。
(1) 平日|会社員と両立している日の例
平日は日中に会社員としての仕事があるため、ライティングは夜が中心です。夜の2時間を「確実に作業する時間」として確保し、その時間内でできる工程だけを進めるようにしています。
- 9:00〜17:00:会社員の仕事
- 夕方:お迎え・買い物など
- 夜:家事・育児・家族時間
- 21:00〜23:00:ライティング作業(子どもが眠った後)
| 時間帯 | 内容 | 意識していること |
|---|---|---|
| 21:00〜21:15 | 今日の作業確認 | いきなり書かず、頭を切り替える |
| 21:15〜22:15 | メイン作業 | 1工程に集中する |
| 22:15〜22:45 | 軽作業 | 画像選定や微調整 |
| 22:45〜23:00 | メモ・終了準備 | 翌日の迷いを減らす |
(2) 休日|仕事をしない日の考え方
休日は基本的に作業を入れず、家族との時間や休息を優先しています。完全に仕事から離れる日を作ることで、平日の作業にも集中しやすくなりました。
(3) インタビュー・取材がある日の例
取材がある日は、移動や準備も含めて1日がかりになることがほとんどです。そのため、他の作業は入れず、取材と素材整理だけに集中します。
(4) 執筆に集中する日の考え方
執筆に集中したい日は、会議や細かい作業を極力入れず、まとまった時間を確保します。文章の流れが途切れにくく、仕上がりも安定しやすくなります。
5. スケジュール管理の基本|押さえておきたい3つの考え方
(1) 作業工程ごとに時間を分ける
「今日は構成だけ」「今日は撮影だけ」と工程を区切ることで、やるべきことが明確になります。複数の作業を同時に進めようとすると集中力が分散しやすいため、工程単位で考えるのがおすすめです。
(2) 締め切りではなく、作業開始日を決める
締め切りから逆算する方法もありますが、焦りが生まれやすいと感じています。それよりも、「この日からこの工程を始める」と決めておくほうが、落ち着いて作業に取り組めました。
(3) 毎日小さく進める余白を作る
3分だけリサーチする、写真を選ぶだけでも構いません。完璧を目指さず、小さく進める習慣が、結果的に記事完成への近道になります。
6. タスク管理ツールとカレンダーの使い分け
(1) カレンダーは時間の流れを見るために使う
締め切りや予定を入れておくことで、1週間や1か月の全体像が把握しやすくなります。
(2) メモツールは思考の置き場として使う
構成案や言い回しのメモ、ふと思いついたアイデアを書き留めておくと、後の執筆が楽になります。
(3) 案件管理は一覧で把握する
案件数が増えてきたら、進行状況を一覧で確認できる形にしておくと安心です。
(4) ツールは増やしすぎない
便利そうなものを増やしすぎると、管理そのものが負担になります。自分に合うものを絞って使うのがおすすめです。
7. スケジュールが崩れたときの立て直し方
予定どおりに進まない日は、誰にでもあります。そんなときは、今抱えているタスクを一度すべて書き出し、優先順位をつけ直します。小さな作業から手をつけることで、気持ちも落ち着きやすくなります。
納期調整が必要な場合は、進捗状況を整理したうえで、早めに相談することが大切です。無理を重ねないことが、長く続けるためには欠かせません。
8. 美容ライターが無理なく続けるための時間の作り方
朝の静かな時間や通勤中のスキマ時間など、短い時間をうまく使うことで作業のハードルは下がります。また、自分が集中しやすい時間帯を知り、その時間に合わせて作業を組むことも大切です。
仕事量についても、「これくらいなら続けられる」という自分なりの適正ラインを知っておくと、無理なスケジュールを組まずに済みます。
9. 美容ライターのスケジュール管理の疑問(Q&A)
Q. 1記事にどれくらい時間がかかりますか?
案件内容にもよりますが、1週間ほどで無理なく仕上げるペースを目安にしています。
Q. 納期が重なったときはどうしていますか?
優先度の高い記事から、工程ごとに分けて進めるようにしています。
Q. 朝型と夜型、どちらが向いていますか?
無理のないライフスタイルに合わせて選ぶのが一番だと思います。
参考文献
- 厚生労働省「働き方改革関連情報」
https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/ - 厚生労働省「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」
https://shigoto.mhlw.go.jp/ - 総務省統計局「国民生活時間調査」
https://www.stat.go.jp/data/shakai/ - 総務省統計局「労働力調査」
https://www.stat.go.jp/data/roudou/ - 内閣府「男女共同参画白書」
https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/ - 中小企業庁「フリーランス関連支援情報」
https://www.chusho.meti.go.jp/ - 独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)
https://www.jil.go.jp/ - 日本クラウドソーシング協会「実態調査レポート」
https://crowdsourcing.jp/ - 内閣官房「働き方改革一括法について」
https://www.kantei.go.jp/ - 厚生労働省「在宅就業者総合支援事業」
https://www.mhlw.go.jp/ - 総務省「テレワーク推進関連情報」
https://www.soumu.go.jp/ - 経済産業省「未来の教室/働き方・学び方の変化」
https://www.meti.go.jp/ - OECD「Employment Outlook」
https://www.oecd.org/ - 『フリーランス&副業で働く!文章で稼ぐ教科書』
NDL書誌:https://ndlsearch.ndl.go.jp/ - 『新版 働き方の教科書』
NDL書誌:https://ndlsearch.ndl.go.jp/ - 『LIFE SHIFT――100年時代の人生戦略』
NDL書誌:https://ndlsearch.ndl.go.jp/ - Google 検索セントラル「検索品質評価ガイドライン」
https://developers.google.com/search?hl=ja - 総務省「ICTによる働き方の変革」
https://www.soumu.go.jp/ - 厚生労働省「キャリア形成支援」
https://www.mhlw.go.jp/ - 経済産業省「副業・兼業に関するガイドライン」
https://www.meti.go.jp/
美容ライター&コンテンツディレクター。スキンケア・コスメ・美容医療のメディア運営や記事制作を中心に活動中。
日本化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)/化粧品成分検定1級(化粧品成分上級スペシャリスト)

