在宅でできる仕事の選択肢が増え、SNSでも「美容ライター」という肩書きを目にする機会が多くなりました。
キラキラした働き方のように見えつつも、実際の収入がどうなのかは少し分かりにくいものですよね。
結論からお伝えすると、美容ライターの“月3万円”なら、未経験の方でも十分に目指せるラインです。
ただ、勢いだけで始めるとつまずきやすく、逆に少し準備をしておくとかなりスムーズに進みます。
この記事では、美容ライターの収入相場から、月3万円を達成するための作業量、準備しておくと安心なポイント、そしてその先の働き方まで、順を追ってやさしくまとめました。
「まずは小さな一歩から始めたい」という方に向けて書いていますので、気軽に読み進めていただけたらうれしいです。
1. 美容ライターの収入はどれくらい?相場と伸びしろ
(1)未経験〜経験者の収入レンジ
美容ライターの収入は、経験や扱うテーマによって幅があります。
まずは大まかな目安として、次のようなレンジがよく見られます。
- 未経験:月5,000円〜3万円
- 経験1〜2年:月3〜7万円
- 経験3年以上:月10万円〜(継続案件・専門記事)
未経験の時期は、記事を書くスピードがゆっくりだったり、応募できる案件の幅が狭かったりするため、月5,000円〜3万円ほどに落ち着きやすい傾向があります。
一方で、経験を1〜2年ほど積むと、作業スピードが安定し、応募できる案件の幅も広がります。
この頃から月3〜7万円あたりが現実的になります。
さらに、3年以上続けると、得意分野が生まれ、専門的な記事づくりにも慣れてきます。
継続案件も増えやすくなり、月10万円以上を目指せる方も出てきます。
書くほど経験が積み重なり、評価や信頼にもつながるため、長く続けるほど収入が伸びやすいのが美容ライターの特徴です。
(2)美容ジャンルの文字単価の目安
文字単価の相場は次のとおりです。
- 未経験:0.5〜1.5円
- 経験者:2.0〜3.0円
- 専門系:3.0円〜
美容ジャンルは読者ニーズが幅広く、初心者も経験者も案件に挑戦しやすい分野です。
そのため未経験案件も比較的多く、1.0円前後の案件が一般的に見られます。
経験を重ねると、読みやすい文章・検索を意識した構成・情報の正確さが身についていきます。
こうした積み上げが評価され、2.0〜3.0円の案件に挑戦しやすくなります。
専門性の高い記事(美容医療の基礎、成分解説、年代別の悩み記事など)は、調査量も多いため、3円以上になるケースもあります。
ただし、文字単価はあくまで指標のひとつ。
レビュー記事や体験記事など、単価より「書きやすさ」や「実績になりやすいか」が大切な場合もあります。
(3)美容ライターが収入を伸ばしやすい理由
美容ジャンルは、季節や年代によってニーズが変わり、新商品も次々登場します。
そのため記事の需要が途切れにくいのが特徴です。
- 「レビュー」
- 「悩み解決」
- 「おすすめ○選」
- 「新商品紹介」
こうしたテーマは常に読み手がいます。
特にレビューは、企業側も継続的に依頼しやすいため、長く続けるほど案件が安定しやすい傾向があります。
さらに、美容ジャンルは“積み上げ型”で伸びる職種です。
実績が増えるほど提案文の説得力が高まり、文字単価も上がりやすくなります。
美容ライティングは、短期間で一気に稼ぐよりも、コツコツ積み上げるほど伸びやすい働き方です。

2. 月3万円は通過点。達成に必要な作業量と案件の選び方
(1)月3万円を実現する作業量の目安
月3万円を目指す場合、次のペースがひとつの目安になります。
- 3000〜4000字 × 週1〜2本(= 4〜8記事/月)
1本あたり3000〜4000字は、美容記事として標準的な長さです。
週1本ペースでも月4記事になりますので、家事や育児と両立している方でも無理なく続けられます。
「平日の朝に30分だけ書く」「週末にまとめて構成をつくる」など、生活スタイルに合わせて作業時間を調整できます。
取り組む曜日や時間帯を決めておくと、無理なく続けやすくなります。
(2)未経験でも取りやすい美容案件
最初の実績づくりには、次のテーマが取り組みやすいです。
- スキンケアの基礎
- コスメレビュー
- 美容アイテムのまとめ記事
- 用語解説(保湿・くすみ など)
レビュー記事は、手元にあるアイテムで書けるためハードルが低く、実績にもつながりやすい特徴があります。
「書けるテーマの幅が広がる」という意味でも、最初に挑戦しやすいジャンルです。
(3)クラウドソーシングで案件を取るコツ
未経験の方は、クラウドソーシングを活用するのが現実的です。
- クラウドワークス
- ランサーズ
- ココナラ
最初は応募が通りにくいと感じることもありますが、プロフィールを整え、提案文を簡潔にまとめるだけで通過率が変わることがあります。
提案文では、「美容が好き」「丁寧にレビューできる」といった強みを短く伝えることが大切です。1〜2件でも実績が増えると、応募の通過率が上がりやすくなります。

3. 月3万円を“基礎”にするために整えておきたい3つの準備
(1)美容記事を書く前に知っておきたい基礎
美容ジャンルには、よく使われる用語や成分があります。
最初からすべて覚える必要はありませんが、次のような基礎だけ知っておくとスムーズです。
- スキンケアの基本(化粧水 → 美容液 → 乳液 など)
- 用語の違いの理解(美容液と導入美容液など)
- よく登場する成分名
“書きながら覚えていく”くらいの気持ちで十分です。
(2)ポートフォリオの最小構成
未経験でも、次の4つが揃えばポートフォリオは作れます。
- 自己紹介
- レビュー or サンプル記事
- 得意ジャンル
- 問い合わせ先
サンプル記事は、アイテムレビューでもOKです。
「この人は丁寧に書ける」という印象につながるため、応募の後押しになります。

(3)最低限のレギュレーション(薬機法・景表法)
美容ジャンルには、表現のルールがあります。
難しく感じるかもしれませんが、まずは次の1点だけ意識できれば大丈夫です。
- 強い言い切りを避ける
たとえば、「絶対に〜する」「必ず〜できる」などは避けて、
「〜に役立つことがあります」「〜と感じる方もいます」
といった表現に調整します。
4. 未経験から月3万円へ。初月〜3か月のロードマップ
(1)1か月目:準備を整える
最初の1か月間は「慣れる期間」と考えて大丈夫です。
- 美容記事を読んで雰囲気をつかむ
- サンプル記事を1本つくる
- クラウドソーシングに登録する
この段階では、まだ稼ぐより「書くことに慣れる」意識が大切です。
(2)2か月目:実績をつくる
実績が2〜3本あるだけで、応募の通過率が変わります。
低単価でも、まずは「書いた経験」をつくることが大きな1歩になります。
焦らず、丁寧に書くことを意識して進めてみてください。
(3)3か月目:継続案件を取りにいく
実績が整い始めたら、継続案件の獲得を目指します。
1つでも継続案件があると、月ごとの収入が安定しやすいです。
応募の際は、
- 丁寧なコミュニケーション
- 実績の提示
- これまで書いたサンプルの見せ方
などを意識すると、良いご縁につながりやすくなります。

5. 月3万円を土台に、収入を伸ばしていくためのヒント
(1)作業ペースの確保
月3万円に届く頃には、作業のリズムが安定してきます。
さらに収入を伸ばすには、無理なく続けられる作業ペースをつくることがポイントです。
- 朝30分だけ書く
- 隙間時間に構成だけ作る
- 週1日は作業日と決める
「完璧にやろう」と気負いすぎないほうが、長く続けやすくなります。
(2)コミュニケーションを丁寧に
美容ライターの仕事は、文章力だけでなく、やりとりの丁寧さも信頼につながります。
- 納期を守る
- 返信をできる範囲で早めに返す
- 進捗をこまめに伝える
こうした小さな積み重ねが、継続案件につながり、結果として収入の安定にもつながります。
(3)得意ジャンルを深める
続けていくうちに、「レビューが得意」「スキンケアが好き」など、自分の軸が見えてきます。
得意分野を丁寧に深めると、指名依頼が増えやすくなります。
美容ライターは、専門性を積み重ねるほど、長い目で見て安定しやすい働き方です。

6. まとめ:月3万円は通過点。専門性を積み上げるほど収入は伸びていく
月3万円は、美容ライターとしての“スタートライン”です。
無理のないペースで続けるほど得意分野が育ち、継続案件も安定していきます。
焦らなくて大丈夫です。
日々の生活に合わせて、できる範囲でコツコツ積み上げていけば、着実に道が開けていきます。
美容ライターという働き方が、あなたの生活にもやさしく寄り添う一つの選択肢になれたらうれしいです。
参考文献
- 厚生労働省「働き方改革関連情報」
https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/ - 厚生労働省「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」
https://shigoto.mhlw.go.jp/ - 総務省統計局「国民生活時間調査」
https://www.stat.go.jp/data/shakai/ - 総務省統計局「労働力調査」
https://www.stat.go.jp/data/roudou/ - 内閣府「男女共同参画白書」
https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/ - 中小企業庁「フリーランス関連支援情報」
https://www.chusho.meti.go.jp/ - 独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)
https://www.jil.go.jp/ - 日本クラウドソーシング協会「実態調査レポート」
https://crowdsourcing.jp/ - 内閣官房「働き方改革一括法について」
https://www.kantei.go.jp/ - 厚生労働省「在宅就業者総合支援事業」
https://www.mhlw.go.jp/ - 総務省「テレワーク推進関連情報」
https://www.soumu.go.jp/ - 経済産業省「未来の教室/働き方・学び方の変化」
https://www.meti.go.jp/ - OECD「Employment Outlook」
https://www.oecd.org/ - 『フリーランス&副業で働く!文章で稼ぐ教科書』
NDL書誌:https://ndlsearch.ndl.go.jp/ - 『新版 働き方の教科書』
NDL書誌:https://ndlsearch.ndl.go.jp/ - 『LIFE SHIFT――100年時代の人生戦略』
NDL書誌:https://ndlsearch.ndl.go.jp/ - Google 検索セントラル「検索品質評価ガイドライン」
https://developers.google.com/search?hl=ja - 総務省「ICTによる働き方の変革」
https://www.soumu.go.jp/ - 厚生労働省「キャリア形成支援」
https://www.mhlw.go.jp/ - 経済産業省「副業・兼業に関するガイドライン」
https://www.meti.go.jp/
美容ライター&コンテンツディレクター。スキンケア・コスメ・美容医療のメディア運営や記事制作を中心に活動中。
日本化粧品検定1級(コスメコンシェルジュ)/化粧品成分検定1級(化粧品成分上級スペシャリスト)


